中性子捕捉療法(BNCT)

臨床研究(臨床試験)

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臨床研究(臨床試験)

 臨床研究とは、患者を対象として新しい治療法の効果と安全性を科学的に評価するために行われる研究のことです。新しい治療を広く一般の人たちから受け入れられるようにするためには、この臨床研究を行う必要があります。

 臨床研究は一般に以下の段階があります。

(1) 臨床第一相試験(Phase Ⅰ)

 主として安全性の確認を目的に行われます。重い副作用を心配しなくても良い投与量、あるいは照射線量(最大許容線量) 明らかにするために行われます。一般には、投与量(照射線量)逐次漸増試験(dose escalation study)が行われ、あらかじめ定められた規則に従って投与量(照射線量)の増加が行われます。この場合、その治療法の有効性についての評価は行われません。典型的な第一相試験においては、約20から80名程度の被験者あるいは患者を必要とします。ここで明らかになった投与量 (照射線量)を用いて、次の第二相試験が行われます。

 一般の薬剤試験では、正常人のボランテイアで行われることが多いのですが、抗がん剤や放射線治療では毒性が強いため、がん患者のみを対象にして行われます。

(2) 臨床第二相試験 (Phase Ⅱ)

 前期:少数例の患者を対象にして、有効性、安全性の瀬踏みを行います。
 後期:第三相試験に用いる線量用法の決定を行います。

 主に第一相試験で確認された投与量(照射線量)について、その有効性(抗腫瘍効果)と安全性の確認を目的として行われます。ここでは、次の第三相試験に用いられる投与量(照射線量)が決定されます。(効果は最も良いと思われる一般手法と比較され、例えば放射線治療において頭頚部であれば外科手術と比較されます。評価には多数の症例が必要となります。)

(3) 臨床第三相試験 (Phase Ⅲ)

 第二相試験である程度有効性が示された治療法について、対象を拡大して有効性、安全性、有用性を明確にすると同時に、既存の標準的な治療法と比較を行い、その治療法の有用性を精密に評価することを目的として行われます。他の方法の成果が優れている場合は、有効性を示すのに困難がともなうことがあります。

(4) 第一/第二相試験(phaseI/II study)

 主目的は、安全性の評価ですが、抗がん剤や放射線治療では毒性が強いため、がん患者のみに対して第一相試験が行われます。がんに対する治療法は、多くの場合からだの正常な部位への有害な反応(副作用)が避けられないと考えられています。そこで、がんに対する治療法の臨床試験では、健常な人ではなく、がん患者に対して第一相試験と第二相試験の両方を組み合わせた試験として、結果的には抗腫瘍効果についても観察が可能である、第一/二相試験(phase I/II study)と呼ばれる試験が行われることがあります。

 この場合にも安全性の確認が主目的となるため、研究計画は他の治療との抗腫瘍効果について比較を行うようには計画されていません。粒子線の臨床試験であれば、第一/二相試験(phase I/II study)として最も安全で効果が優れた照射線量を明らかにすることが目標となります。数名の副作用を確認して少しづつ線量を上げて副作用の出方を見て、さらに線量を上げ副作用を見るように臨床試験計画が立案されます。