中性子捕捉療法(BNCT)

2.通常の放射線治療とBNCTの違いについて

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BNCTと通常の放射線治療との大きな相違点および特徴について箇条書にします。

1 通常の放射線治療で使われるX線に代えて、熱中性子を吸収したホウ素が分裂して生じたアルファ線と7Li粒子粒子を用います。
2 BNCTでは、多くの場合1回(1日)の照射で治療が終了しますが、通常の放射線治療では一般に30回(6週間)の照射を行います。
3 BNCTでは、正常細胞にあまりダメージをあたえないでホウ素薬剤を取り込んだ腫瘍細胞だけを選択的に破壊します。(図1参照)

以下に少し詳しく説明をします。



 国内の多くの施設で取り入れられている放射線治療は、X線と呼ばれる放射線を使っています。悪性グリオーマは広い範囲に微小浸潤しているため、腫瘍細胞を完全に治療するためには広い範囲の正常脳組織にも大量の放射線をかける必要が生じます。強力に治療を行おうとすればするほど微小浸潤のある周りの正常脳組織の障害も避けられないというジレンマがあり、これが治療の限界となっています。

 BNCTで発生するアルファ線と7Li粒子(図1)は、X線やガンマ線と異なり、発生してから止まるまでの距離(飛程)が短く(ほぼ細胞1個分の長さ)、腫瘍細胞で発生したアルファ線も7Li粒子も周囲の正常脳組織に与える影響は小さいとされています。また、BNCTで発生するアルファ線と7Li粒子はX線やガンマ線に比べて生物学的な効果が2~3倍程度高いとされており、治療効果の高いことが期待されます。

 増感効果のない放射線治療では近接する腫瘍細胞と正常細胞はほぼ同じ物理的なダメージを受け、放射線感受性が同じであればほぼ同じダメージを受けます。したがって正常脳の耐えられる線量までの放射線をかけて、腫瘍部の治療を行おうとします。

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