中性子捕捉療法(BNCT)
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の実績
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1975年には、京大炉(KUR)の重水設備において良質の医療用中性子照射場が開発されたのをはじめに、物理工学分野での多くの成果が上げられました。KUR重水設備の熱中性子照射場をモデルに、1976年から1977年にかけて武蔵工大炉(MuITR)が医療用に改造され、1977年3月より1989年までに悪性脳腫瘍については99例の治療が行われました。また、悪性黒色腫(メラノーマ)についても、三島他により1987~1989年に、MuITRにおいて9例の臨床治療が行われました。 KURにおいては、1974年に畠中により脳腫瘍に対する治療照射が1例行われましたが、1989年に、MuITRの停止に伴い1990年2月から治療照射が再開されました。また、日本原子力研究機構の2号炉(JRR-2)でも1990年に治療が始まり1996年まで行われました。KURは1996年に医療用に改造され、熱外中性子の利用も可能になりました。また、JRR-2の停止に伴い、原研4号炉(JRR-4)が熱外中性子の利用もできる医療照射場を整備し、1999年10月から 医療照射を行っていました。 1999年以降、日本ではKURとJRR-4の研究用原子炉を用いてBNCTの治療が行われてきました。その後、KURは 2006年2月に改造作業のため、またJRR-4も2008年1月から改造のために中断しましたが、2009年よりそれぞれ再開しました。 しかし、2011年3月の東日本大震災の影響でJRR-4は運転を停止し、BNCTも中止することになりました。KURは2013年までBNCTを継続しましたが、その後、原子炉の安全審査を受けるための修正等で中断していました。2017年8月再稼働すると同時に、BNCTも再開されました。
表1-1 国内における中性子捕捉療法の治療実績
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